合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
18章
魔物料理(一)
「ルカ、この前購入した服たちの中に、ワンピースもいくつかあったわよね」
キースに冒険者ギルドに連れて行ってもらってから1日経ち、昼を過ぎた頃にギルドからの吉報が届いた。
冒険者たちが口にしたことのある魔物の肉が、数種類揃ったというのだ。
あれから1日半くらいしか経っていないというのに、仕事の早いことだ。
伝令を帰した私は屋敷の厨房からお目当ての物をいくつか分けてもらい、急いで着替えることにした。
「あるにはありますが、あんな地味なものを着ていくのですか?」
貴族の令嬢が着るには普通のワンピースは確かに地味かもしれないが、元々ドレスを着る習慣のない私には十分だ。
ルカはブツブツ言いながらも、衣装ケースから比較的フリルの多い水色のワンピースを取り出す。
私としては今から調理をするので、もっと汚れても目立たない感じの色のワンピースがいいのだが、これ以上言うとルカがヘソを曲げてしまいそうなので、言うのは辞めておこう。
「女性もののズボンもあればいいのに」
「ズボンですか! あんなものは、農村部の人ですら女性は履かないですよ。ソフィアお嬢様は、冒険者か何かになってしまうのですか?」
ワンピースを抱えたまま、ルカがすでに涙目になっている。