合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
魔物料理(六)
「アヒージョ?」
「ソフィアお嬢様、それはどこの国の料理なんですか」
「本で読んだのよ。気にしない、気にしない。フライパンに、家から持ってきた油と唐辛子を入れて弱火にかけます。火の使い方が分からないので、お願いしていいですか?」
「え、ええ」
言われることにかなり疑問を持ちながらも、アンジーさんは素直に動いてくれる。
今集まっている冒険者たちの人数も考えて、フライパン三つ分で調理を始めた。
オリーブ油のような油が温まる前に、肉と野菜の下ごしらに取り掛かる。
今日の料理用に野菜なども取り揃えてもらっていたので、私はその中からキノコたちを取り出す。
「ルカ、これを一口サイズに切って欲しいの」
「はい、分かりました」
「肉はどれがいいかな? この中で、臭みが多少あってもあまり硬くないお肉ってあります?」
「それなら、コカトリスの肉がいいわ。これよ」
何種類かある肉の塊から、コカトリスの肉を受け取る。
ほんのりピンク色の肉は、確かに鶏肉に近い。
唐揚げにしても美味しいだろうけど片栗粉らしきものは見つからなかったから、あとで焼くように半分とっておいて残りはアヒージョにしてしまおう。