合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
キース視点(三)
思わす反論すると、ソフィアは今まで見たどの笑顔よりも、幸せそうに笑った。
「キースは私のために怒ってくれるのね」
「俺だけじゃなくても、グレンだってそんなこと聞いたら、怒るさ。さあ、もう少し眠るんだ。俺はどこにも行かないよ。ずっとソフィアの側にいる。俺はソフィアだけのものだよ」
「ふふふ。最後の最後に、ずいぶん都合の良い夢だわ。でもそうね、それならきっと私は今度こそ幸せね」
開いているもう片方の手でソフィアの頬に触れた。
ソフィアは目を細め、視線を一度こちらに向けた後、再び眠りについた。
先ほどの苦しそうに歪む顔とは違い、その顔はとても穏やかで小さな寝息を立てている。