合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
自己肯定感(五)
それから小一時間もしないうちに、お嬢様のお部屋のドアが勢いよく開きました。
お掃除をしていたわたしは、一体何事が起ったのかとビックリして声も出ませんでした。
お嬢様は結った髪をほどいており、手にはネックレスと履いていたヒールを持っています。
お嬢様はそのまま片手に持ったネックレスとヒールを投げ捨てたのです。
本来、お嬢様はそんな乱暴なことをするお方ではありません。とても思慮深い方ですので。
「ごめんね、ルカ。しばらく一人にしてくれるかしら」
お嬢様は疲れたような、気の抜けたようなそんな血の気のないお顔をしております。
きっとグレン様たちとの席で何かがあったに違いません。
わたしはなんてことをしてしまったのでしょう。
決して乗り気ではなく、期待もしていなかったであろうお嬢様を、たきつけたのはわたしです。
「申し訳ありません、お嬢様」
泣きそうになりながら、頭を下げて退出する。
きっと泣きそうなのはわたしではなく、お嬢様のはずです。わたしに泣く権利はありません。
まず一刻も早く状況を確認しなければいけないのです。
本来はしてはいけないのですが、小走りに客間へ向かいます。
誰か状況の分かる使用人がいるはずです。その使用人に聞けば何があったのか教えてくれるでしょう。
お掃除をしていたわたしは、一体何事が起ったのかとビックリして声も出ませんでした。
お嬢様は結った髪をほどいており、手にはネックレスと履いていたヒールを持っています。
お嬢様はそのまま片手に持ったネックレスとヒールを投げ捨てたのです。
本来、お嬢様はそんな乱暴なことをするお方ではありません。とても思慮深い方ですので。
「ごめんね、ルカ。しばらく一人にしてくれるかしら」
お嬢様は疲れたような、気の抜けたようなそんな血の気のないお顔をしております。
きっとグレン様たちとの席で何かがあったに違いません。
わたしはなんてことをしてしまったのでしょう。
決して乗り気ではなく、期待もしていなかったであろうお嬢様を、たきつけたのはわたしです。
「申し訳ありません、お嬢様」
泣きそうになりながら、頭を下げて退出する。
きっと泣きそうなのはわたしではなく、お嬢様のはずです。わたしに泣く権利はありません。
まず一刻も早く状況を確認しなければいけないのです。
本来はしてはいけないのですが、小走りに客間へ向かいます。
誰か状況の分かる使用人がいるはずです。その使用人に聞けば何があったのか教えてくれるでしょう。