合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
手伝い(五)
「この冒険者たちの再雇用ですが、冒険者たちの広場に立たせる兵というのも、いいかもしれませんね。冒険者は気が荒い方も多いようですから」
「冒険者広場なんて、よく知っていたな」
「学園のすぐ近くにもありましたから、何度か見たことがあるんです」
冒険者たちは、街から村などいろいろな所を渡り歩くため、拠点や自宅以外ではテントで生活する者が多い。
特に王都の宿屋など、高すぎてとても泊まれるものではないだろう。
森の中でテントを張ることもあるそうだが、依頼を終えると次の依頼までは街の中などにテントを張り、そこで生活するのだ。
そのため、よほど狭い村でない限りは、冒険者がテントを張ってもいい広場が出来ている。
「広場の警備としての再雇用なら、引退してからの職業問題も解決出来るし、ギルドはいい顔するだろう」
どこの世界でも、働きたい人が働ける環境を作るのは、必須なことのはずだ。
もう少し、何か雇用問題の解決策があるといいのだけれど。
「あ、キース様、そーいえば、魔物って食べられるんですか?」
「ぶっ」
前々から気になっていたことを口にすると、びっくりしたようにキースが吹き出す。