合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
14章

休憩(一)


 お昼を過ぎ、ティータイムに差し掛かるころ、ようやく全ての書類が完成した。

 朝食べたきりのお腹が、やや不満を訴えている。

「やっと終わったー。お腹空きましたね、キース様」

「いつもグレンとはこんな調子だから、すっかりお昼ご飯のことを忘れていたよ、すまなかったソフィア」

 思い出したように立ち上がり、キースが謝ってくる。

 なんとなく想像はついたのだが、ある意味ここの二人の仕事ぶりは社畜に近い気がする。

 もう少し、何人かで仕事を分け合えればこんなに休憩なく仕事をしなくても、いいと思うのだが。

 取り扱う書類が書類だけに、そうもいかないものなのだろうか。

「大丈夫ですよ。そうだ、プリンを持ってきたんです。一緒に食べませんか?」

 すっかりテーブルの端に追いやられた篭からプリンを二つ取り出す。

 透明のガラス瓶に入れた黄色い艶やかなプリンは今ならカロリーなど気にせず食べられそうだ。

「これは、ソフィアが作ったのか?」

「そんなところです。なので、味の保証は出来ませんよ?」

 とはいうものの、ちゃんと味見をしてみんなが美味しいと言ったから持ってきたのだけど。
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