廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
第四章
1、観劇当日
『アルカディア劇団 レグナント公演、開催』
チラシに大々的に書かれた文字を見ながら、私は馬車の中で大興奮していた。
本日、楽しみにしていた観劇が漸く実現する。
隣に座るおばあ様も、どことなくソワソワしているみたいだ。
「楽しみですね、おばあ様!」
「そうね!過去に何度かアルカディアの演劇を見たけど、とても素晴らしかったわ!」
「まぁ!それなら間違いなく面白いですね!」
私たちの会話を、前に座るダリオンは無言で聞いていた。
誘っても来ないだろうと思っていたダリオンは、案外あっさり誘いに乗った。
そして、ちょうど良い機会だからと、アルカディア国の歴史について事前に教えてくれたのである。
ーー東の国、連合国家アルカディア。
その歴史は古く、一説では世界を創りし神が降り立った地として文献に残っている。
大陸の大体真ん中にあることから、文化芸術、貿易の交差地点として、発展してきた。
しかし十年ほど前、王太子の暗殺未遂事件で揉め、政情不安に陥ったらしい。
その事件で一時姿を隠していた王太子が今、アルカディアの国王になっている。
現アルカディア国王シルヴェスター。
彼は非常に優秀で、何十とある部族を短期間で纏め上げ、連合国家アルカディアを復興させた。
世界各国とも綿密に連携をとり合い、賢王としても有名だという。
『アルカディア劇団 レグナント公演、開催』
チラシに大々的に書かれた文字を見ながら、私は馬車の中で大興奮していた。
本日、楽しみにしていた観劇が漸く実現する。
隣に座るおばあ様も、どことなくソワソワしているみたいだ。
「楽しみですね、おばあ様!」
「そうね!過去に何度かアルカディアの演劇を見たけど、とても素晴らしかったわ!」
「まぁ!それなら間違いなく面白いですね!」
私たちの会話を、前に座るダリオンは無言で聞いていた。
誘っても来ないだろうと思っていたダリオンは、案外あっさり誘いに乗った。
そして、ちょうど良い機会だからと、アルカディア国の歴史について事前に教えてくれたのである。
ーー東の国、連合国家アルカディア。
その歴史は古く、一説では世界を創りし神が降り立った地として文献に残っている。
大陸の大体真ん中にあることから、文化芸術、貿易の交差地点として、発展してきた。
しかし十年ほど前、王太子の暗殺未遂事件で揉め、政情不安に陥ったらしい。
その事件で一時姿を隠していた王太子が今、アルカディアの国王になっている。
現アルカディア国王シルヴェスター。
彼は非常に優秀で、何十とある部族を短期間で纏め上げ、連合国家アルカディアを復興させた。
世界各国とも綿密に連携をとり合い、賢王としても有名だという。