廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
なにか解決策がないかと必死で頭を捻っていると、突然馬車の動きが止まった。
外から微かに人の声がする。
私は耳を澄ませ、内容を聞き取ろうとした。
「どうもお疲れ様です。なにかあったのでしょうか?随分と物々しい警備ですが」
しゃがれ声……これは老人だ。
なにかあったのですか?なんて白々しい。
全部こいつらのせいなのに!
と、樽の中で憤慨した私は、次の瞬間ハッとした。
「何があったかは言えないが、非常事態だ。検問に協力をしてくれ」
軽く弾むように高い声。
今は少し固めの印象だけれど、この声はランス。
ということは、ダリオンも近くにいるかもしれない!
「もちろんです。さぁどうぞ。樽の中身は酒場や食堂へ卸す香辛料や塩、砂糖でございます」
「よし。中を改める!」
ランスが叫ぶと、馬車の中で誰かが動く音がした。
樽に閉じ込められてから、周りの状況は全くわからない。
でも、数人がガサゴソと馬車を降りた気配がしたから、奴隷商人の男たちが側にいたのだ。
バサッと布の音がして、次にギッと馬車の軋む音がする。
暫くして、慌ただしく数人が馬車の中を動いている音がした。
出口に一番近い樽が調べられてるのかもしれない。
私とローリーが詰められている樽は最奥。
セドリックが捕まっているのなら、彼もこの近くの樽だと思う。
出口の方は念入りに調べても、奥は入り込めないので、簡単に調べて終わりという可能性が高い。
外から微かに人の声がする。
私は耳を澄ませ、内容を聞き取ろうとした。
「どうもお疲れ様です。なにかあったのでしょうか?随分と物々しい警備ですが」
しゃがれ声……これは老人だ。
なにかあったのですか?なんて白々しい。
全部こいつらのせいなのに!
と、樽の中で憤慨した私は、次の瞬間ハッとした。
「何があったかは言えないが、非常事態だ。検問に協力をしてくれ」
軽く弾むように高い声。
今は少し固めの印象だけれど、この声はランス。
ということは、ダリオンも近くにいるかもしれない!
「もちろんです。さぁどうぞ。樽の中身は酒場や食堂へ卸す香辛料や塩、砂糖でございます」
「よし。中を改める!」
ランスが叫ぶと、馬車の中で誰かが動く音がした。
樽に閉じ込められてから、周りの状況は全くわからない。
でも、数人がガサゴソと馬車を降りた気配がしたから、奴隷商人の男たちが側にいたのだ。
バサッと布の音がして、次にギッと馬車の軋む音がする。
暫くして、慌ただしく数人が馬車の中を動いている音がした。
出口に一番近い樽が調べられてるのかもしれない。
私とローリーが詰められている樽は最奥。
セドリックが捕まっているのなら、彼もこの近くの樽だと思う。
出口の方は念入りに調べても、奥は入り込めないので、簡単に調べて終わりという可能性が高い。