廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「その件について、訂正をしようと思っている」

「訂正、ですか?」

「ああ。女や子供は嫌いだ。それは変わらない。だが、お前は……嫌いじゃ……ない。うん、嫌いではない」

自分自身に問いかけるように、繰り返すダリオン。
その姿は戸惑っているようでもあった。
そんな彼の前で、私は驚いて言葉を失っていた。
え、ゆ、夢?夢かな?
実はもう寝ていて、都合のいい夢を見てるんじゃない?
聞いた言葉が信じられず、自分の頬をつねってみたけど、間違いなく痛みがある。
どう考えても、これ……夢じゃなさそう!
そう断定すると、今度は嬉しさが襲ってきた。
しかし、舞い上がりそうな気持ちの中で、ある一つの疑問が頭を掠める。
……どうしてダリオンはそんなにも子供や女性、人間全般に嫌悪感を抱いているのか?
その疑問を、私は一度聞くのを躊躇い……でも、思い切って口にしてみた。
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