廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「知らないですよね、まぁ、そうでしょうね……閣下はそういうことに疎いから」

「前置きはいいから、早く言え」

「わかりましたよ。あのですね……エスカーダ閣下は男色では?と言う噂です!」

「男色?……ああ、なるほど。言わせておけばいい。正解だろうが誤解だろうが、どっちでも変わらんだろう?」

やれやれ、そんなことで朝から騒ぐな……と付け足すと、ランスロットは喚きたてた。

「閣下のことなんて、どうでもいいんですよぉー!男色でも不能でも!問題は僕!僕のことですっ!」

「……なんなんだ、一体……」

「あのねぇ!閣下の恋人だと思われてるんですよ、ぼ・く・が!」

「へぇ……」

それがなんだと言うんだ?
興味無さそうに答えると、ランスロットのこめかみに青筋が増えた。

「結婚したくない閣下はいいですけどね!僕を巻き込まないで下さい!こっちまで男色だと思われて、女の子に変な目で見られるんですよぅ……」
< 46 / 228 >

この作品をシェア

pagetop