廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「お初にお目に掛かります。ランスロット・グレジッド様。ルキアと申します。以後、お見知りおきを」
頭を下げる角度、目線、滑らかな仕草……おばあ様指導の下、完璧にマスターした挨拶をすると、ランスロットはおお!と感嘆した。
「これはこれはご丁寧に。お姫様、僕のことはどうかランスとお呼び下さい。いやぁ、可愛いお姫様だなぁ。実に優雅で高貴で美しい。あと5年もすればとんでもない美少女に……」
「鼻の下をのばしている場合ではないわね」
おばあ様の無表情の叱責を受けて、ランスロット……いや、ランスはブルッと震えた。
「あ、すみません……コホン、では皆様、こちらへ」
ランスに案内され、私とおばあ様、続いてエレナたちが屋敷内へと入った。
白い大きな扉を潜ると、目に飛び込んできたのは円形の広いエントランス。
床には黒い大理石が敷き詰められ、対比するように真っ白な大理石の柱が立つ。
ニ階へ向かう階段は緩くカーブを描き、踊り場にはエスカーダ公爵家の始祖らしき人の、立派な肖像画が飾ってある。
私たちは応接室らしき部屋に通された。
その部屋も、お金がかかっていそうな調度品が満載である。
「閣下はそろそろ帰って来るはずなので、暫くここでお待ち下さい。メイドの方々は、館内の設備の使い方等をお教えしますので、どうぞ僕に付いてきて下さい」
ランスはエレナたちをつれて、応接室を後にした。
頭を下げる角度、目線、滑らかな仕草……おばあ様指導の下、完璧にマスターした挨拶をすると、ランスロットはおお!と感嘆した。
「これはこれはご丁寧に。お姫様、僕のことはどうかランスとお呼び下さい。いやぁ、可愛いお姫様だなぁ。実に優雅で高貴で美しい。あと5年もすればとんでもない美少女に……」
「鼻の下をのばしている場合ではないわね」
おばあ様の無表情の叱責を受けて、ランスロット……いや、ランスはブルッと震えた。
「あ、すみません……コホン、では皆様、こちらへ」
ランスに案内され、私とおばあ様、続いてエレナたちが屋敷内へと入った。
白い大きな扉を潜ると、目に飛び込んできたのは円形の広いエントランス。
床には黒い大理石が敷き詰められ、対比するように真っ白な大理石の柱が立つ。
ニ階へ向かう階段は緩くカーブを描き、踊り場にはエスカーダ公爵家の始祖らしき人の、立派な肖像画が飾ってある。
私たちは応接室らしき部屋に通された。
その部屋も、お金がかかっていそうな調度品が満載である。
「閣下はそろそろ帰って来るはずなので、暫くここでお待ち下さい。メイドの方々は、館内の設備の使い方等をお教えしますので、どうぞ僕に付いてきて下さい」
ランスはエレナたちをつれて、応接室を後にした。