廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
3、衝撃の展開です

それから、ローリーお手製の焼き菓子とお茶を頂きながら待っていると、外から馬の嘶きが聞こえた。

「あっ……帰って来ましたね」

ランスは少し残念そうに立ち上がった。
応接室での女子会に参加していた彼を見ていて、異常なくらい幸せそうに見えたのは私だけかしら?
普段からこうなのか、今日は特別なのか……。
どちらにしろ、ちょっと気持ち悪いなと思ったのは内緒である。
いや、そんなことよりもっ!
数週間ぶりに会うダリオンのほうが私にとっては重要だ。
ああ!あの艶やかな金髪や吸い込まれそうな青い瞳を、今日やっと拝むことが出来るのねっ!
そう思うと、ドキドキとワクワクが溢れだし、自然と表情筋が弛んだ。

「ルキア」

「へっ……あ、はい。おばあ様」

考えがバレたのだろうか、と焦って声が上擦った。
おばあ様は見えない分、勘がするどいので、私の不純な思いも気付くかもしれない。

「ダリオンの言動や態度をいちいち気にすることはないわよ」

「え?」

「あの子は人間全般が嫌いで、関わり合いを持つのを嫌う。だから、少々言い方が冷たく聞こえるのよね」

考えがバレてなかったことに一旦安心する。
でも、話の内容に安心出来ない私もいた。
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