廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「……お好きにどうぞ」
殺伐とした空気を一蹴したのは、なんとダリオンだった。
瞬間、おばあ様は悪魔のように微笑んだ。
どうやら勝者はおばあ様のようだけど、ダリオンの表情に変化はない。
凪の水面のように、どこまでも無表情だ。
これ、納得したということなのかな?
感情が顔に出ないから全然わからないわ。
「よろしい。それでは、ルキアはダリオンの婚約者ということで発表……」
「そんなことより」
満足げなおばあ様の言葉をダリオンは遮った。
な、なんて勇気のある人なの!?
こんな女王みたいな人の話を遮るなんて、大英雄はやはり命知らず……元々心臓がないか、または二つあるかのどちらかだ。
「イエーレン先生の診察は明日でしたね?」
「ええそうよ」
「まずは目を治してからの話ということにしませんか?何事も一気に事を運ぶのは良くない。戦でも、緻密な計算と段取りが必要ですから」
「……やるわね……」
ビシッ……と、どこからかラップ音が聞こえた……。
いや違う。
また冷戦が開始されたのである。
この二人は血縁で間違いないな。
全くもって似た者同士、負けず嫌いで頭が切れて、山よりもプライドが高い。
ランスもメイドたちも、そんな二人の性格を知ってか絶対に立ち入ろうとはしない。
もう銅像のように空気と化している。
殺伐とした空気を一蹴したのは、なんとダリオンだった。
瞬間、おばあ様は悪魔のように微笑んだ。
どうやら勝者はおばあ様のようだけど、ダリオンの表情に変化はない。
凪の水面のように、どこまでも無表情だ。
これ、納得したということなのかな?
感情が顔に出ないから全然わからないわ。
「よろしい。それでは、ルキアはダリオンの婚約者ということで発表……」
「そんなことより」
満足げなおばあ様の言葉をダリオンは遮った。
な、なんて勇気のある人なの!?
こんな女王みたいな人の話を遮るなんて、大英雄はやはり命知らず……元々心臓がないか、または二つあるかのどちらかだ。
「イエーレン先生の診察は明日でしたね?」
「ええそうよ」
「まずは目を治してからの話ということにしませんか?何事も一気に事を運ぶのは良くない。戦でも、緻密な計算と段取りが必要ですから」
「……やるわね……」
ビシッ……と、どこからかラップ音が聞こえた……。
いや違う。
また冷戦が開始されたのである。
この二人は血縁で間違いないな。
全くもって似た者同士、負けず嫌いで頭が切れて、山よりもプライドが高い。
ランスもメイドたちも、そんな二人の性格を知ってか絶対に立ち入ろうとはしない。
もう銅像のように空気と化している。