廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
おばあ様は、明らかにこの話題に飽きているようだった。
目が治ったのだから、大好きな観劇に行きたいのはすごくわかる。
だけど、ローリーはそれを許さなかった!

「ちょっとお待ちください、カトレア様!この話には、まだ続きがあるんですよ!」

ローリーは必死で話に割り込んできた。
「じゃあ、さっさとお話なさい」とため息混じりにおばあ様が言うと、すぐに得意気に捲し立てて来た。

「回復した患者さん全員の共通点は、なんと『療養所の人形劇』らしいのです。人形劇を見ていると、体の痺れがなくなったと全員が口を揃えて語っているのですっ!」

「えー……そんなことって、ある?」

人形劇を見て病気が治る?
心を軽くしたり、ストレスを和らげたり、そんな効果はあるかもしれないけど、直接的に病に関与することなんて出来ないと思う。

「あるんですよ。それで、ここからが面白い話なんですけど……」

「あなた、まだ本題に入ってなかったのね」

おばあ様は呆れた表情で言った。
今までの驚きの話が本題じゃないなら、その先を聞くのがかなり怖いんですけど?
< 87 / 228 >

この作品をシェア

pagetop