あなたを愛しています
私、西村瞳は結婚して、もうすぐ5年の30歳。夫の学とは、高校で知り合った。
委員会活動が盛んだった私たちの高校。私と学はクラスは違ったが、2年生の時、一緒に広報委員会に所属することになった。
学校の様子や行事、お知らせを校内外に告知するのが仕事の委員会で、私たちはポスター作りや校内誌の作成、学校のHPの更新などを担当していた。
委員会活動に積極的な学。そんな彼の爽やかな容姿と言動に私は、徐々に惹かれて行ったが、告白などという勇気も機会もないまま、時は過ぎて行った。
夏休みも終わり、やがて文化祭の時期となった。その日の委員会は、文化祭告知に関するHPの更新が仕事だったが、たまたま私たち2人だけしか来られなかった。
「よ、よろしくね、西村くん。」
予期せぬシチュエーションに、私がドギマギしながら、そう挨拶すると、普段は柔らかな雰囲気の学が
「あ、ああ。」
と、なんだか素っ気無い。なんともぎこちない空気のまま、2人並んで作業をしていると、パソコンのマウスに手を伸ばそうとした私の手が、偶然、学の手と重なってしまった。
ハッとして、すぐにお互いに手を引っ込め、相手を見る。突然の好きな人とのボディタッチに、すっかりパニックになった私は次の瞬間
「触らないでよ!」
と怒鳴るように言うと、呆然とする学を残して、部屋を飛び出してしまった。
(私、何やってるの・・・。)
あんな言い方しなくてもいいのに、別に彼に触れることが嫌なわけでもないのに・・・後悔と恥ずかしさと彼への申し訳ない気持ちと、いろんなものがごちゃまぜになって、私は自分でも訳がわからないまま、走っていた。
そして、その次の日から、彼は委員会から消えた。
文化祭終了後に予定されている役員の代替わりの際には、後任会長に擬せられていたほど、委員会活動に熱心だった学の突然のボイコット。
「ねぇ、なんか心当たりない?」
困惑した会長から、そう聞かれて、私は何も答えられない。だって、心当たりがあり過ぎるから。
(私のせいだ・・・。)
責任を感じた私は、彼の教室を訪ねるが、会えない。完全に避けられている。
ようやく彼を捕まえられた時、あれから1週間が経ってしまっていた。
委員会活動が盛んだった私たちの高校。私と学はクラスは違ったが、2年生の時、一緒に広報委員会に所属することになった。
学校の様子や行事、お知らせを校内外に告知するのが仕事の委員会で、私たちはポスター作りや校内誌の作成、学校のHPの更新などを担当していた。
委員会活動に積極的な学。そんな彼の爽やかな容姿と言動に私は、徐々に惹かれて行ったが、告白などという勇気も機会もないまま、時は過ぎて行った。
夏休みも終わり、やがて文化祭の時期となった。その日の委員会は、文化祭告知に関するHPの更新が仕事だったが、たまたま私たち2人だけしか来られなかった。
「よ、よろしくね、西村くん。」
予期せぬシチュエーションに、私がドギマギしながら、そう挨拶すると、普段は柔らかな雰囲気の学が
「あ、ああ。」
と、なんだか素っ気無い。なんともぎこちない空気のまま、2人並んで作業をしていると、パソコンのマウスに手を伸ばそうとした私の手が、偶然、学の手と重なってしまった。
ハッとして、すぐにお互いに手を引っ込め、相手を見る。突然の好きな人とのボディタッチに、すっかりパニックになった私は次の瞬間
「触らないでよ!」
と怒鳴るように言うと、呆然とする学を残して、部屋を飛び出してしまった。
(私、何やってるの・・・。)
あんな言い方しなくてもいいのに、別に彼に触れることが嫌なわけでもないのに・・・後悔と恥ずかしさと彼への申し訳ない気持ちと、いろんなものがごちゃまぜになって、私は自分でも訳がわからないまま、走っていた。
そして、その次の日から、彼は委員会から消えた。
文化祭終了後に予定されている役員の代替わりの際には、後任会長に擬せられていたほど、委員会活動に熱心だった学の突然のボイコット。
「ねぇ、なんか心当たりない?」
困惑した会長から、そう聞かれて、私は何も答えられない。だって、心当たりがあり過ぎるから。
(私のせいだ・・・。)
責任を感じた私は、彼の教室を訪ねるが、会えない。完全に避けられている。
ようやく彼を捕まえられた時、あれから1週間が経ってしまっていた。