堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「この子が生まれても顔を見せにこないし」

「警備があるからだ」
 言い訳のようにも聞こえるが正論だろうか?

「とにかく、そうやって言い訳ばかりして、会いにきてくれないわよね」

「なぜ、一介の騎士が仕事でもないのに王族に会いにいかねばならない」
 正論、かもしれない。

「だって、友達でしょ」

「彼女と私とジルは、学院の頃からの友人でね」
 国王はこっそりとエレオノーラに囁いた。
 そういえば、国王陛下と王妃殿下の出会いはどことなく耳にしたことがある。多分、王立学院時代に出会ったとか。そこにジルベルトも関わっていた、ということのようだ

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