堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「それで、何が大変なのですか?」
腕を組んで足を組んだエレオノーラは、ゆったりと妖艶にそう問いかけた。
「第一騎士団のリガウン団長がだ」
ダニエルの表情は険しい。何か事件が起こったのか、と思えるほどに。それともまた別なところへ潜入調査をしろ、と言わんばかりのその表情。
「はい。先ほどお会いしました」
ダニエルの表情が険しすぎたため、できるだけその場を明るくしようとするエレオノーラは、できるだけ冷静に、そして声色を柔らかくして答えた。それは意図的に。
「それがだ。そのリガウン団長が、エレン、君を妻に娶りたいとか言い出した」
ふと、時間が止まったような感覚に包まれた。お茶の準備をしていたパメラが、思わずそのお茶をこぼしてしまうのではないか、というくらいに衝撃的な言葉だった。だが、優秀な侍女であるパメラはそれをこらえて、淡々と任務をこなす。
「は?」
とエレオノーラが発したタイミングで二人の前にお茶をなんとかこぼすことなく差し出したパメラ。
思わず豊穣の女神も、ただの小悪魔に変わってしまうくらいのわけのわからない兄の言葉。
腕を組んで足を組んだエレオノーラは、ゆったりと妖艶にそう問いかけた。
「第一騎士団のリガウン団長がだ」
ダニエルの表情は険しい。何か事件が起こったのか、と思えるほどに。それともまた別なところへ潜入調査をしろ、と言わんばかりのその表情。
「はい。先ほどお会いしました」
ダニエルの表情が険しすぎたため、できるだけその場を明るくしようとするエレオノーラは、できるだけ冷静に、そして声色を柔らかくして答えた。それは意図的に。
「それがだ。そのリガウン団長が、エレン、君を妻に娶りたいとか言い出した」
ふと、時間が止まったような感覚に包まれた。お茶の準備をしていたパメラが、思わずそのお茶をこぼしてしまうのではないか、というくらいに衝撃的な言葉だった。だが、優秀な侍女であるパメラはそれをこらえて、淡々と任務をこなす。
「は?」
とエレオノーラが発したタイミングで二人の前にお茶をなんとかこぼすことなく差し出したパメラ。
思わず豊穣の女神も、ただの小悪魔に変わってしまうくらいのわけのわからない兄の言葉。