堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
マリーは腕を伸ばして、テーブルの上のグラスを取った。
「あなたも、飲む?」
マリーは目を細めて、艶やかな唇で聞いた。
「ああ」
それを聞いたマリーは、ボトルからグラスに酒を注ぎ、いくつか氷を落としたものをアンディの手に握らせた。
二人はグラスを掲げ、それをお互いにあてる。カチンという耳に残る音が、響く。
マリーは今日もオレンジ色の液体を、ゆっくりと飲んでいた。それを飲むたびに、上下に揺れる喉元。今すぐにでも喰いつきたいそれ。アンディは酒を飲みながらも、生唾も飲み込んでいた。
「建国記念パーティの件、あなたの耳にも入っているでしょ?」
片手でグラスを持ったマリーが言った。
「ああ、もうそんな時期か」
建国記念パーティは毎年同じ時期に開かれる、建国を祝うパーティ。
「どうやらそのパーティに、あの騎士団長が婚約者を連れて出席するらしいわ」
これもマリーが仕入れてきた情報。ありとあらゆるコネと使って。彼女にはそういう特技がある。いや、皆、彼女の前では軽々と口を開くのかもしれない。アンディはそう思っていた。
「あなたも、飲む?」
マリーは目を細めて、艶やかな唇で聞いた。
「ああ」
それを聞いたマリーは、ボトルからグラスに酒を注ぎ、いくつか氷を落としたものをアンディの手に握らせた。
二人はグラスを掲げ、それをお互いにあてる。カチンという耳に残る音が、響く。
マリーは今日もオレンジ色の液体を、ゆっくりと飲んでいた。それを飲むたびに、上下に揺れる喉元。今すぐにでも喰いつきたいそれ。アンディは酒を飲みながらも、生唾も飲み込んでいた。
「建国記念パーティの件、あなたの耳にも入っているでしょ?」
片手でグラスを持ったマリーが言った。
「ああ、もうそんな時期か」
建国記念パーティは毎年同じ時期に開かれる、建国を祝うパーティ。
「どうやらそのパーティに、あの騎士団長が婚約者を連れて出席するらしいわ」
これもマリーが仕入れてきた情報。ありとあらゆるコネと使って。彼女にはそういう特技がある。いや、皆、彼女の前では軽々と口を開くのかもしれない。アンディはそう思っていた。