堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
団長がクソ真面目であれば、そのサニエラ副団長は正反対のクソ不真面目というやつらしい。
「ええと、つまり、今回は相手がリガウン団長だったから、と。そういうことですか?」
乗り出した身を元に戻したエレオノーラは尋ねた。
「そういうことだ」
理由になっていない。
「ええと。むしろリガウン団長は、私で本当に良いのでしょうかね?」
不安になりエレオノーラは尋ねた。
だが兄から返ってきた言葉はもちろん。
「わからん。そもそも、あの状況でリガウン団長と出会ったということは、リガウン団長はレオンという男性店員の顔は見たが、エレンの素顔を知らない、ということだ」
「あ、言われてみれば。ということは、素顔を見てがっかりするパターンもあるわけですね」
ちょっとしゅんと肩を小さくするエレオノーラ。レオンという男性酒場の店員の姿は彼好みだったかもしれないが、素顔のエレオノーラは彼の好みではない、ということもあり得るはずだ。何しろ、エレオノーラの素顔は幼い。それは、彼女自身が気にしている顔。だから、豊穣の女神に見えるように普段は顔を作っている。
「そうなった場合、オレ達が許さない」
さりげなく兄バカを発揮する兄。そして、そこでダニエルは足を組み替えた。
「まあ、それよりもだ。まず、エレンには幸いなことに婚約者がいない」
「ええと、つまり、今回は相手がリガウン団長だったから、と。そういうことですか?」
乗り出した身を元に戻したエレオノーラは尋ねた。
「そういうことだ」
理由になっていない。
「ええと。むしろリガウン団長は、私で本当に良いのでしょうかね?」
不安になりエレオノーラは尋ねた。
だが兄から返ってきた言葉はもちろん。
「わからん。そもそも、あの状況でリガウン団長と出会ったということは、リガウン団長はレオンという男性店員の顔は見たが、エレンの素顔を知らない、ということだ」
「あ、言われてみれば。ということは、素顔を見てがっかりするパターンもあるわけですね」
ちょっとしゅんと肩を小さくするエレオノーラ。レオンという男性酒場の店員の姿は彼好みだったかもしれないが、素顔のエレオノーラは彼の好みではない、ということもあり得るはずだ。何しろ、エレオノーラの素顔は幼い。それは、彼女自身が気にしている顔。だから、豊穣の女神に見えるように普段は顔を作っている。
「そうなった場合、オレ達が許さない」
さりげなく兄バカを発揮する兄。そして、そこでダニエルは足を組み替えた。
「まあ、それよりもだ。まず、エレンには幸いなことに婚約者がいない」