堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「思ったより、早いお帰りでしたのね」
湯気の立つカップを手にして、母親が言った。
「ええ。今回の件には父たちにも応援を頼むこととなりました。通常の騎士団のメンバーだけでは人員と経験が足りないという総帥の判断になります」
これも事実。だから、退団したジルベルトの父親が王宮に呼び出されているのだ。
「そう、よかったわね。てっきり、あなたが暴れて勝手に帰ってきたのかと思ったわ」
と冗談のように聞こえる義母の呟きが、あながち嘘では無かったことを、あとでエレオノーラは知ることとなる。
「さらに総帥が、私たちの結婚式のことを気遣ってくださり、三日程度であれば続けて休みをもらえることになりました。式はいつ頃挙げればよろしいでしょうか。その、準備とかもありますでしょうから」
結婚式の話になった途端、ジルベルトが生き生きしているように見えてきた。
「準備って。あなたは大した準備はないでしょう? エレンの方は、いつでも式が挙げられるようにと、粗方準備は終わっております。ドレスもね」
湯気の立つカップを手にして、母親が言った。
「ええ。今回の件には父たちにも応援を頼むこととなりました。通常の騎士団のメンバーだけでは人員と経験が足りないという総帥の判断になります」
これも事実。だから、退団したジルベルトの父親が王宮に呼び出されているのだ。
「そう、よかったわね。てっきり、あなたが暴れて勝手に帰ってきたのかと思ったわ」
と冗談のように聞こえる義母の呟きが、あながち嘘では無かったことを、あとでエレオノーラは知ることとなる。
「さらに総帥が、私たちの結婚式のことを気遣ってくださり、三日程度であれば続けて休みをもらえることになりました。式はいつ頃挙げればよろしいでしょうか。その、準備とかもありますでしょうから」
結婚式の話になった途端、ジルベルトが生き生きしているように見えてきた。
「準備って。あなたは大した準備はないでしょう? エレンの方は、いつでも式が挙げられるようにと、粗方準備は終わっております。ドレスもね」