堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
はいはい、と義母は呆れたように右手を振っていたが、孫の顔を見る日もそうは遠くは無いな、というところに微かな希望を持っていた。
そして、抱かれたエレオノーラはどこまで連れていかれるのかと思っていた。
間違いなくジルベルトの部屋なのだが。だからといって、ジルベルトの部屋が二人の部屋とは限らない。
「あの、ジル様」
ジルベルトが自室の扉を開けると、そこには何もなかった。ただの空き部屋。
自分が長くこの屋敷を不在にしていたから、だろうか。
両親に会いたくなくて、ずっと騎士団の官舎に逃げ込んでいたから、だろうか。
いや、だが今はエレオノーラがいる。彼女がいるにも関わらず、なぜこの部屋は空き部屋になってしまったのか。
それがジルベルトの素直な感想。
「ジル様。お部屋がかわったのです。その、私が嫁いできましたので」
そして、抱かれたエレオノーラはどこまで連れていかれるのかと思っていた。
間違いなくジルベルトの部屋なのだが。だからといって、ジルベルトの部屋が二人の部屋とは限らない。
「あの、ジル様」
ジルベルトが自室の扉を開けると、そこには何もなかった。ただの空き部屋。
自分が長くこの屋敷を不在にしていたから、だろうか。
両親に会いたくなくて、ずっと騎士団の官舎に逃げ込んでいたから、だろうか。
いや、だが今はエレオノーラがいる。彼女がいるにも関わらず、なぜこの部屋は空き部屋になってしまったのか。
それがジルベルトの素直な感想。
「ジル様。お部屋がかわったのです。その、私が嫁いできましたので」