堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「この後、ショーン団長に呼ばれている」
 そこで、一口お茶を飲み、喉を潤す。

「はい」

「間違いなく潜入調査だと思われる」

「はい」

「もう、大丈夫だな?」

「もちろんです。どんな役でもこなしてみせます」
 なぜならば第零騎士団諜報部潜入班所属だからだ。仮面さえつければ、こなせない役はない、とエレオノーラは自負している。

「それを聞いて安心した。だが、団長に会う前に首元のそれをなんとかしろ」

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