堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
本来であれば、フランシア子爵も娘を第零騎士団に入団させる気はなかった。普通に結婚してもらいたかった。だが、この娘、なぜか昔から変装が得意であった。そのためか、幼い頃から父親監修の元、変装しては父の仕事のためにいろんなところに潜入していた。けして、フランシア子爵が強要したわけではない。彼女は自主的に変装していたのだ。それを利用していた父親ではあるけれど、かなり役に立ち助けられた。だから、断ることもできなかった。
そして今では、第零騎士団にはいなくてはならない存在にまでなっている。娘には感謝してもしきれない。だけど、第零騎士団にはいれたくなかったという、微妙な親心。
「フレッド、リガウン卿について報告して欲しい」
ダニエルからの命によって、フレディはジルベルトについて調べていた。情報部に所属しているので、この辺の調査はお手のもの。つまり、お茶の子さいさいというやつだ。
「第一騎士団団長ジルベルト・リガウン。年は三十一。侯爵家の長男でありながらも、未婚。婚約者もいません。侯爵家の本宅を出て騎士団の官舎で暮らしています」
淡々と報告をするフレディ。彼の眼鏡がきらりと光りを反射する。
そして今では、第零騎士団にはいなくてはならない存在にまでなっている。娘には感謝してもしきれない。だけど、第零騎士団にはいれたくなかったという、微妙な親心。
「フレッド、リガウン卿について報告して欲しい」
ダニエルからの命によって、フレディはジルベルトについて調べていた。情報部に所属しているので、この辺の調査はお手のもの。つまり、お茶の子さいさいというやつだ。
「第一騎士団団長ジルベルト・リガウン。年は三十一。侯爵家の長男でありながらも、未婚。婚約者もいません。侯爵家の本宅を出て騎士団の官舎で暮らしています」
淡々と報告をするフレディ。彼の眼鏡がきらりと光りを反射する。