堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「そうなると、第零からレオンを出すことになるがいいか?」
 という、ショーンからの問い。

「同じじゃないか」
 なんと、あのジルベルトがツッコミを入れた。

「いや、違う。エレオノーラ・リガウンとして同行するか、第零騎士団のレオンとして同行するかでは、彼女の立ち位置がかわってくる」
 ショーンはいたって真面目に言う。そう、この話は真面目な話。

「その選択できない選択肢はなんなんだ……」
 ジルベルトは頭を抱えてしまう。

「だから、あえてお前に選ばせている。お前の嫁のエレオノーラを差し出すか、第零としてレオンを差し出すか」

「リガウン団長」
 そこで優しく声をかけたのはダニエルだった。
「リガウン団長も、陛下の護衛で隣国に行かれるのではないですか?」

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