堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「あら、ちょっとその年で未婚で婚約者がいないっていうのはつらいわね。完全に逃したわね。しかも官舎住まいなんて、断然やる気がないわね」
膝の上に肘をつき、その手の上に頬を乗せた姿で母が言った。
「元々結婚に興味が無いということも一部では囁かれていましたから」
フレディは左手の人差し指で眼鏡を押し上げた。さらに怪しく眼鏡が光る。その怪しい眼鏡の奥で、フレディの目が鋭くなる。
「ですが先日。彼の部下であるサニエラ副団長が、エレオノーラについて調べていたようです」
「そうなのか?」
それはダニエルも初耳だった。
兄の問いにフレディは頷く。エレオノーラの情報は機密事項扱いだ。それを第一の副団長が調べた、ということは。この第零に誰か内通者がいる、ということだろうか。
ダニエルは腕を組んだ。
「その結婚に興味が無いリガウン卿が、なぜエレンに求婚したいとか言い出したのかも気になるところですが?」
二番目の兄のドミニクが言う。その視線はしっかりとエレオノーラを見ている。
膝の上に肘をつき、その手の上に頬を乗せた姿で母が言った。
「元々結婚に興味が無いということも一部では囁かれていましたから」
フレディは左手の人差し指で眼鏡を押し上げた。さらに怪しく眼鏡が光る。その怪しい眼鏡の奥で、フレディの目が鋭くなる。
「ですが先日。彼の部下であるサニエラ副団長が、エレオノーラについて調べていたようです」
「そうなのか?」
それはダニエルも初耳だった。
兄の問いにフレディは頷く。エレオノーラの情報は機密事項扱いだ。それを第一の副団長が調べた、ということは。この第零に誰か内通者がいる、ということだろうか。
ダニエルは腕を組んだ。
「その結婚に興味が無いリガウン卿が、なぜエレンに求婚したいとか言い出したのかも気になるところですが?」
二番目の兄のドミニクが言う。その視線はしっかりとエレオノーラを見ている。