堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
真っ赤なルージュと紫色のアイシャドウが、彼女の魅力を際立たせている。そして身体のラインをしっかりと見せつける、真っ赤なドレス。一般的な男性が見たら、八割は彼女に魅力を感じることだろう。残りの二割は好みの問題だ。
「はい」
彼は答えた。ちょっと緊張して、声が上ずってしまった。何しろ、声をかけられるとは思ってもいなかったから。しかも彼女のような女性から。
「まあ、初々しいこと。だから、初めてってわかったんだけどね」
彼女がニッコリと笑うと、意外と幼く見えるのも不思議だった。
「私が教えてあげるわよ」
彼女が右手の人差し指で顎に触れてきた。
「私はマリア。坊や、お名前は?」
「フレドリックです。ですが、マリアさんにはフレディと呼んでもらいたい」
速くなる鼓動を気付かれないように、落ち着いた声でフレドリックは言った。
「マリアさん、だなんて。私のことはマリーと呼んで。フレディ」
「はい」
彼は答えた。ちょっと緊張して、声が上ずってしまった。何しろ、声をかけられるとは思ってもいなかったから。しかも彼女のような女性から。
「まあ、初々しいこと。だから、初めてってわかったんだけどね」
彼女がニッコリと笑うと、意外と幼く見えるのも不思議だった。
「私が教えてあげるわよ」
彼女が右手の人差し指で顎に触れてきた。
「私はマリア。坊や、お名前は?」
「フレドリックです。ですが、マリアさんにはフレディと呼んでもらいたい」
速くなる鼓動を気付かれないように、落ち着いた声でフレドリックは言った。
「マリアさん、だなんて。私のことはマリーと呼んで。フレディ」