堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「あんなの、演技に決まっているだろう」
 彼女の耳元で囁く。

 それを耳にしたマリアは、ぞくぞくと背筋に何かが駆け上ってきた。
「まあ」
 そこで、マリアはコテッと首を傾けて、フレドリックの肩の上にそれを預けた。

 それを見計らってフレドリックは口を開く。
「マリー。君にお願いがあるんだけど」

「何かしら?」
 彼女は上目づかいで彼を見た。

「ちょっとしたパーティがあるんだ。それに僕と一緒に参加して欲しい」

「え?」

 マリアは驚いて、顔を上げた。
「私でいいの?」
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