堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
気を失った女性をどのように運ぶのかを気になるところであったが、さすがに彼も肩に担いで運ばれるようなことはしなかった。それではいかにも人さらいだ。誰がどう見ても。
横抱きのいわゆるお姫様抱っこというやつでエレオノーラをどこかへと運んでいく。これなら、体調を崩したレディを介抱している紳士に見えるのだろう。どんどんと人目のつかない場所へと連れていかれた。
とある部屋へと連れていかれた。この部屋、ちょっと埃っぽい。喉の奥がいがいがして、鼻がむずむずとしたけれど、盛大にくしゃみをしては意識があることに気付かれてしまう。だから、エレオノーラはなんとかそれをこらえた。
「はい、マリアちゃん。お友達連れてきたよ」
エレオノーラを横抱きにしていた男の声が頭から降ってきた。どうやらその部屋には先客がいたようだ。あまりにも近いところから声が聞こえてきたので、ざわりという背中に嫌な感覚が走ったが、それも堪える必要があった。
マリアというドレス姿の女性は、両手両足をがっちりと縄で結ばれている様子。その彼女の隣に、エレオノーラも仰向けで寝かせられた。お尻からその床におろし、丁寧に横たえる。
だが、すかさず両足を縄で縛られ、両手も拘束された。ただこの男が失敗したのはエレオノーラの両手をお腹の前で結んでしまったことだろう。彼女を仰向けに寝かせたから、仕方ないといったら仕方ないのだが。
横抱きのいわゆるお姫様抱っこというやつでエレオノーラをどこかへと運んでいく。これなら、体調を崩したレディを介抱している紳士に見えるのだろう。どんどんと人目のつかない場所へと連れていかれた。
とある部屋へと連れていかれた。この部屋、ちょっと埃っぽい。喉の奥がいがいがして、鼻がむずむずとしたけれど、盛大にくしゃみをしては意識があることに気付かれてしまう。だから、エレオノーラはなんとかそれをこらえた。
「はい、マリアちゃん。お友達連れてきたよ」
エレオノーラを横抱きにしていた男の声が頭から降ってきた。どうやらその部屋には先客がいたようだ。あまりにも近いところから声が聞こえてきたので、ざわりという背中に嫌な感覚が走ったが、それも堪える必要があった。
マリアというドレス姿の女性は、両手両足をがっちりと縄で結ばれている様子。その彼女の隣に、エレオノーラも仰向けで寝かせられた。お尻からその床におろし、丁寧に横たえる。
だが、すかさず両足を縄で縛られ、両手も拘束された。ただこの男が失敗したのはエレオノーラの両手をお腹の前で結んでしまったことだろう。彼女を仰向けに寝かせたから、仕方ないといったら仕方ないのだが。