堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「知らない」

「えぇ~。どうしましょう?」
 情報部の兄であればその辺の情報も網羅していると思っていたエレオノーラの期待は大いに外れた。

「騎士団のそういった一般的なことであれば、ドム兄に聞いてみればいいのではないか? 広報部だからな」
 言いながら、フレディは自室へと向かっていく。その背中が震えていた。どうやら、笑いをこらえているようだ。
 ジルベルトの好みの女性情報は、一般的なことに分類されるかどうかという点についてエレオノーラは疑問に思ったのだが、フレディが知らないというのであれば、次に聞くべき相手は決まっている。

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