堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
エレオノーラは思わず目を見開き、驚きのあまり鼻の穴まで大きくしてしまった。こんな姿、夫であるジルベルトには見せたくない。
「ド、ドムお兄さま。な、何をおっしゃっているのでしょうか?」
動揺のあまり、不自然な話し方になってしまった。
「だから、学院の生徒として潜入して欲しいと言ったのだが。聞こえなかったか?」
「いえ。聞こえてます。ですが、私、十八になったのですよ? 無理じゃないですか? しかも人妻ですよ。結婚してるんですよ?」
彼女が卒業してからは、一年が経とうとしている。結婚して人妻であるのに、生徒となって学院に潜入というのは、やや無理があるのではないだろうか。
「大丈夫だ。お前の本当の顔なら、十五歳くらいで通じる」
「本当の顔」
気にしているというのに、この兄は容赦がない。
「ド、ドムお兄さま。な、何をおっしゃっているのでしょうか?」
動揺のあまり、不自然な話し方になってしまった。
「だから、学院の生徒として潜入して欲しいと言ったのだが。聞こえなかったか?」
「いえ。聞こえてます。ですが、私、十八になったのですよ? 無理じゃないですか? しかも人妻ですよ。結婚してるんですよ?」
彼女が卒業してからは、一年が経とうとしている。結婚して人妻であるのに、生徒となって学院に潜入というのは、やや無理があるのではないだろうか。
「大丈夫だ。お前の本当の顔なら、十五歳くらいで通じる」
「本当の顔」
気にしているというのに、この兄は容赦がない。