堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「何を、やっている?」
聞き慣れた声が聞こえてきた。エレオノーラは、振り返らなくてもわかる、その声の主が。そして、その口調からちょっと怒っていて、ちょっと驚いていることもわかる。
「あら、今日は早かったのね」
と義母が能天気な声をあげた。
「あ、ああ。まあ。それで何をしているのでしょうか?」
口調が変わった。それは息子が母に問うているからだ。
「エレンがね。学院に通うことになったんですって。制服が届いたからサイズを合わせていたのよ。どう? スカートの丈はこのくらいが可愛いわよね?」
穴があったら入りたいとはまさしくこれのこと。エレオノーラのスカートの裾は、パメラによって針で固定されていた。ちょっと若さを誤魔化しきれない膝小僧が出ている。
「ダメだ。そもそも膝が出ている」
つっこむところはそこですか? いや、そこなんだろうけど。淑女が膝を出すなんてもってのほかですよね。というエレオノーラの心の声はジルベルトに届くわけがない。
聞き慣れた声が聞こえてきた。エレオノーラは、振り返らなくてもわかる、その声の主が。そして、その口調からちょっと怒っていて、ちょっと驚いていることもわかる。
「あら、今日は早かったのね」
と義母が能天気な声をあげた。
「あ、ああ。まあ。それで何をしているのでしょうか?」
口調が変わった。それは息子が母に問うているからだ。
「エレンがね。学院に通うことになったんですって。制服が届いたからサイズを合わせていたのよ。どう? スカートの丈はこのくらいが可愛いわよね?」
穴があったら入りたいとはまさしくこれのこと。エレオノーラのスカートの裾は、パメラによって針で固定されていた。ちょっと若さを誤魔化しきれない膝小僧が出ている。
「ダメだ。そもそも膝が出ている」
つっこむところはそこですか? いや、そこなんだろうけど。淑女が膝を出すなんてもってのほかですよね。というエレオノーラの心の声はジルベルトに届くわけがない。