堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 昼休憩時間もドロシーが食堂を案内してくれた。学食と言うところでご飯を食べるようだ。

「ドロシーさんが声をかけてくださって、本当に助かりました」
 エレオノーラはプレートにのっている付け合わせの野菜をゆっくりとカットする。

「そう? でもね、私も裏心があって声をかけたんだ」
 うふふ、と楽しそうにドロシーが笑う。

「裏心、ですか?」
 どんな心だろうと、エレオノーラは思った。

「うん。私ね、新聞部なの。それでエレンちゃんに取材させて欲しいんだけど? ダメかな?」

「取材、ですか?」

「そうそう」
 ドロシーの満面の笑みが怖い。だけど、取材とはどのようなことをするのか興味はある。
「バーデールからの留学生って珍しいし、みんなもエレンちゃんのことをもっと知りたいって思っていると思うんだよね」

「そう、ですかね?」

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