堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

4.やる気を出します

「ただいま帰りました」
 ため息とともにその言葉を吐き出すと、顔中に笑みを浮かべたジルベルトが迎えてくれた。まさかジルベルトが出迎えてくれるとは思っていなかったため、一歩退いてしまうエレオノーラ。

「あの、ジル様。お仕事の方は?」

「今日は休みと言っていたはずだが」
 なぜか、ジルベルトの笑顔が怖い。だから、もう一歩退く。

「そう、でしたっけ? 着替えて、きますね」
 ニッコリと微笑んでエレオノーラが言う。

「着替えるのか?」
 なぜか寂しそうな表情を浮かべるジルベルト。だからってこの表情に負けるようなことがあってはならない。と、心に強く言い聞かせるエレオノーラ。

「はい、着替えます」
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