堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「まあな。ただ、騎士団は平民からも採用しているからな。人手不足はそっちで補うしかない、という話も出ている」

「ですが、彼らもきちんと任務がこなせるようになるまでは訓練を積まなければなりませんよね」

「入団してから一年間は基礎訓練。その後、配属という流れだな」

「やっぱり、即戦力が欲しくないですか?」

「まあ、そうだが」

「ということで。私が潜入している二学年からは、二十人、騎士団へ入団させます」

「二十人もか?」

「はい。だって、昔はそのくらい学院の生徒からは入団していたんですよね?」

「そうだな」
 ジルベルトの同期も二十人くらいはいたはずだ。皆、それなりの役についている。第二、第四の団長なども、確か同期入団者だったはず。

「なんか、目標も定まったのでちょっとやる気が出ました」
 エレオノーラは小さくエイエイオーと拳を握っている。

「ならば、こちらもやる気を出してほしいな」
 なぜか目の前にジルベルトの顔が迫ってきていた。やっぱり、ジルベルトに負けてしまうエレオノーラなのだった。
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