堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

　フレディは脳内データベースの検索結果を最大限に生かしながら、それらのつながりを整理しているようだ。
「ベルニス嬢を欲しがっている他の誰かが欲しいのは、最終的にノアイユ家の金であり、ベルニス嬢にきてもらっては困るような人は、今のところ心当たりが無い。となると、ベルニス嬢は誘拐される可能性が非常に高い」
　フレディの検索結果のつながりはよくわからないが、ベルニスが危険であることに変わりはないらしい。

　ふぅむ、とショーンは腕を組んで頷いた。
「つまり、脅迫状はただの脅しであって、本当の目的はベルニスを誘拐して身代金を要求する、ということか？」

「そういうことです」
　フレディはまた眼鏡を押し上げた。このモードのときのフレディはキレている。この場合、フレディの脳内には情報が溢れているため、フレディの中で浮かんできている情報を言葉として放っている。だから、それについていけない者も多い。エレオノーラもその一人であるが、団長であるショーンはついていけるらしい。

「この場合の対応方法は二つ」