堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 フレディは右手の人差し指と中指を立てる。
「一つ、とにかくベルニス嬢を守り切る。相手が諦めるまで。二つ、相手をぶっ潰す」

「二ですね」
 即答するエレオノーラ。

「二、なのか?」
 妻の顔を見る夫。

「二だな」
 腕を組んでいたダニエルは、それを崩しながら右手の親指と人差し指の間で顎を挟んだ。
「フレディの話を聞いて思ったのだが、その犯人は残党では無いのか?」

「グリフィン公爵家の?」
 ショーンが続きを奪うと、そうです、とダニエルは頷いた。ううむ、とショーンは腕を組んで唸るしかない。

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