堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

19.エピローグです

「まあ、エレン。気がついたのね」
 目を開ければ見慣れた風景。そして見慣れた人物と聞き慣れた声。
 いつの間にかドレスから寝巻に着替えさせられている。これはパメラの仕業だろう。

「お義母さま?」

「あぁ、良かったわ。あなた、貧血で倒れたのよ。覚えているかしら?」

「えっと」
 覚えているかしら、と言われたため思い出そうとする。とりあえず悪党の親玉をやっつけたところまでは思い出した。
「はい、なんとなく。あの、ジル様とお義父さまは? また、例の件の取り調べであちらに行っているのでしょうか?」
 首だけを義母の方に向けて尋ねた。
 あれだけの悪党を捕まえてしまったのだ。また、騎士団の仕事が忙しくなるのは目に見えている。

「ええ、そうね。でも今はこちらにいるのよ。あなたが倒れたからって」
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