堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
そして少し考え込む。
「何か、心当たりがあるのか?」
「いえ、弱みになるかどうかはわからないけれど。面白い噂を聞いたのよ」
何かを思い出したかのように、マリーふふっと笑った。それだけ面白い噂なのだろう。また一口、グラスの中身を口に含んだ。喉元が上下する。アンディははっと息を飲む。
「面白い噂? それはどんな噂だい?」
それを悟られないように見送ったアンディが口を開いた。
「そうね。聞いたところによると、あの騎士団の団長がとうとう婚約したらしいわよ」
マリーは彼を見上げる。
「騎士団の団長って、あの第一のか? 堅物でクソ真面目で有名な」
彼の右手のグラスが揺れ、カランカランと氷の音がした。それだけ興奮したのだろう。
「そう。堅物で有名な、ね」
マリーもゆっくりとそれを繰り返す。
「何か、心当たりがあるのか?」
「いえ、弱みになるかどうかはわからないけれど。面白い噂を聞いたのよ」
何かを思い出したかのように、マリーふふっと笑った。それだけ面白い噂なのだろう。また一口、グラスの中身を口に含んだ。喉元が上下する。アンディははっと息を飲む。
「面白い噂? それはどんな噂だい?」
それを悟られないように見送ったアンディが口を開いた。
「そうね。聞いたところによると、あの騎士団の団長がとうとう婚約したらしいわよ」
マリーは彼を見上げる。
「騎士団の団長って、あの第一のか? 堅物でクソ真面目で有名な」
彼の右手のグラスが揺れ、カランカランと氷の音がした。それだけ興奮したのだろう。
「そう。堅物で有名な、ね」
マリーもゆっくりとそれを繰り返す。