堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
11.確認されました
「団長、ご婚約おめでとうございます」
ジルベルトは、お茶をコトリと執務席の机の上に置いている副団長のサニエラから事務的に声をかけられた。サニエラの視線が少しジルベルトに向いたような気がする。
正式に婚約届を出したのは、二日前。昨日は何事も無かったのに、一晩明けたら部下が知っている、ということは何があったのだろうか。
「サニエラ、なぜそれを?」
心の中は盛大に動揺しているのだが、それを悟られないように口を開いた。
「騎士団の広報部からの正式発表です」
「広報部」
ジルベルトは口の中で呟いた。
「団長。我ら騎士団は昇進、婚約、結婚、出産等、冠婚があった場合は広報部より正式な通達が出されることをご存知ないのですか」
ジルベルトはそこでカップを手にする。知らなかった、ということを隠すための行為。何しろ今までそういった冠婚は何年か前に団長に昇進したときくらいしか縁が無かった。コクリと一口飲む。
ジルベルトは、お茶をコトリと執務席の机の上に置いている副団長のサニエラから事務的に声をかけられた。サニエラの視線が少しジルベルトに向いたような気がする。
正式に婚約届を出したのは、二日前。昨日は何事も無かったのに、一晩明けたら部下が知っている、ということは何があったのだろうか。
「サニエラ、なぜそれを?」
心の中は盛大に動揺しているのだが、それを悟られないように口を開いた。
「騎士団の広報部からの正式発表です」
「広報部」
ジルベルトは口の中で呟いた。
「団長。我ら騎士団は昇進、婚約、結婚、出産等、冠婚があった場合は広報部より正式な通達が出されることをご存知ないのですか」
ジルベルトはそこでカップを手にする。知らなかった、ということを隠すための行為。何しろ今までそういった冠婚は何年か前に団長に昇進したときくらいしか縁が無かった。コクリと一口飲む。