堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「ただ、不思議なことに。団長の相手の方のお名前は公表されていないんですよね。どのような相手なんでしょうか?」
サニエラは右手の中指で眼鏡を押し上げた。これは何か企んでいるときの仕草。むしろ、探りを入れているから、か。我が部下ながら恐ろしい、と感じる。
「広報部の方で公表しないと判断したのであれば、私の方から言うことは何もない」
広報部の方に連絡を入れるということを知らなかったジルベルトであるが、サニエラにこれ以上追究されても困るため、そのようなことを言う。
「そうですね。つまり、公にできない方が相手だということですね。まさか、団長の独りよがりということはないですよね? きちんと相手に承諾をもらったんですよね? むしろ団長の妄想とか、そういったことではないですよね?」
いつも冷静なサニエラが今日は食いついてくる。ジルベルトの婚約はそれほどまでも衝撃的だったのだろうか。それとも相手が公表されない、というのが衝撃的なのか。
サニエラは右手の中指で眼鏡を押し上げた。これは何か企んでいるときの仕草。むしろ、探りを入れているから、か。我が部下ながら恐ろしい、と感じる。
「広報部の方で公表しないと判断したのであれば、私の方から言うことは何もない」
広報部の方に連絡を入れるということを知らなかったジルベルトであるが、サニエラにこれ以上追究されても困るため、そのようなことを言う。
「そうですね。つまり、公にできない方が相手だということですね。まさか、団長の独りよがりということはないですよね? きちんと相手に承諾をもらったんですよね? むしろ団長の妄想とか、そういったことではないですよね?」
いつも冷静なサニエラが今日は食いついてくる。ジルベルトの婚約はそれほどまでも衝撃的だったのだろうか。それとも相手が公表されない、というのが衝撃的なのか。