堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
昼食時。サニエラの手腕と広報部の調整により、なんとかダニエルを摑えることができた。王城内に食堂があるが、密談、商談等にも使えるように個室、半個室と様々な部屋が準備されている。サニエラには個室を押さえるように指示しておいたため、それを広報部にも伝えてくれたようだ。できの良い部下は、こちらの期待以上の成果を出してくれるようだが、何分あの性格が曲者だった。
「お呼び出ししてしまって申し訳ない」
ジルベルトが頭を下げる。
「いえ。妹の件かと思いましたので、部下も連れてまいりましたが、問題なかったでしょうか」
ダニエルの考えは鋭い。だが、ジルベルトがダニエルを呼び出すときは、たいていというか絶対にエレオノーラが絡んでいるときだ。
そして、彼の後ろに一人、騎士服に身を包む青年がいることに気付いた。
目が合った。青年はにっこりと笑う。それで、ジルベルトは気付いた。
「十日ぶりですね、リガウン団長」
声はエレオノーラのそれだった。だが、見た目は青年。あのふんわりとした体つきはどこへ消えたのだろうか。
「お呼び出ししてしまって申し訳ない」
ジルベルトが頭を下げる。
「いえ。妹の件かと思いましたので、部下も連れてまいりましたが、問題なかったでしょうか」
ダニエルの考えは鋭い。だが、ジルベルトがダニエルを呼び出すときは、たいていというか絶対にエレオノーラが絡んでいるときだ。
そして、彼の後ろに一人、騎士服に身を包む青年がいることに気付いた。
目が合った。青年はにっこりと笑う。それで、ジルベルトは気付いた。
「十日ぶりですね、リガウン団長」
声はエレオノーラのそれだった。だが、見た目は青年。あのふんわりとした体つきはどこへ消えたのだろうか。