堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
14.お披露目されちゃいました
落としそうになった仮面をなんとかつけたまま、無事に謁見の間に辿り着いたエレオノーラ。
「お初にお目にかかります。エレオノーラ・フランシアです」
ドレスの裾をつまみ、国王に向かって礼をする。目の前にいた人物は、先ほどひらひらと手を振っていた彼だった。本当に彼だった。
謁見の間の見るからにきらびやかな椅子に座っている男はゆっくりと頷くと、ふと立ち上がる。
「堅苦しい挨拶は終わり、でいいよな?」
誰に許可を求めているのかはわからない。先ほどから謎過ぎるこの男。
「とりあえず、移動」
どこに、とエレオノーラはジルベルトの顔を見上げた。その顔は、黙ってついていくしかない、というあきらめの色が浮かんでいた。
だが、案内された場所は談話室と呼ばれる場所だった。
「本当は夕食を一緒に、と思ったんだけど。こっちの方が話はしやすいだろ」
謎の男のくだけた口調。
「私としてはさっさと帰りたいのだが」
見るからに不機嫌なジルベルト。
「お初にお目にかかります。エレオノーラ・フランシアです」
ドレスの裾をつまみ、国王に向かって礼をする。目の前にいた人物は、先ほどひらひらと手を振っていた彼だった。本当に彼だった。
謁見の間の見るからにきらびやかな椅子に座っている男はゆっくりと頷くと、ふと立ち上がる。
「堅苦しい挨拶は終わり、でいいよな?」
誰に許可を求めているのかはわからない。先ほどから謎過ぎるこの男。
「とりあえず、移動」
どこに、とエレオノーラはジルベルトの顔を見上げた。その顔は、黙ってついていくしかない、というあきらめの色が浮かんでいた。
だが、案内された場所は談話室と呼ばれる場所だった。
「本当は夕食を一緒に、と思ったんだけど。こっちの方が話はしやすいだろ」
謎の男のくだけた口調。
「私としてはさっさと帰りたいのだが」
見るからに不機嫌なジルベルト。