花笑ふ、消え惑ふ
『同門っていうのはね。ある意味、家族よりもずっと深い存在なんだよ』
以前、流と親しくしてくれていた隊士が教えてくれたことがあった。
『カゾクヨリモ?』
『そう。家族よりも』
『家族以上に深い存在なんてありませんよ?』
『うーん……じゃ、家族ってことでいいや。血の繋がってない家族』
それでも流はまだ納得できなかった。
家族以上に繋がりの深い存在、というのも。
血が繋がっていない家族、というのも。
どちらもよく理解できなくて、こてんと小首をかしげる。
『流ちゃんにはまだ難しかったかな』
『同門が家族なんて言ってるやつ、お前ぐらいだよ。大袈裟だな。流ちゃん、そいつの言うことは気にしなくていいよ』
あまりにも真剣に言うから、周りにいた人たちがそれをからかった。
皆にからかわれ、隊士は顔を赤くしながらも必死に反論していた。
そんな彼を見つめながら、流はやっぱり納得ができなくて。
────言葉だけじゃ、わからないな。
『よかったらまた今度、その人を紹介してくれませんか?』
『もちろん!いいやつだから、きっと流ちゃんも気に入ってくれると思うよ』