花笑ふ、消え惑ふ


「そんなの、そんなの……誰のためにもなりません。永倉さんのためにも、…芹沢さんのためにも」


じゃあどうしたらいいのか。

溜めないに越したことはない。

だけどもし不幸にも溜めなければならない状況に陥ってしまったとき、限界まで溜めてしまったとき。


それを減らす方法なんて、ひとつしかないのだ。




「吐き出すんです」


吐いて、吐いて、吐き出して。




「永倉さん。わたしにまで気を遣わないでください。あなたはもう充分、我慢してきました」



そう、だから──────





「だから、遠慮なく、吐き出してください」




────あなたはそれができる人だ。


そしてわたしは、それを受け止めることのできる存在なんだ。


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