花笑ふ、消え惑ふ

「たしかに女だってことはバレないほうがいいかもなぁ」


ハテナを頭いっぱいに浮かべる流に、永倉はどこか遠くを見やるようにしながら言った。


まるでいつかの出来事を思い出しているようでもあった。




「とりあえず話はまとまったな！うむ、よかった！」


近藤が豪快に笑うと、うやむやになっていた事柄まで吹き飛ばされたようになる。



幹部会と呼ばれるからには、ここにいる人たちは壬生浪士組の幹部たちなんだろう、と。


流は個性豊かすぎる面々を見渡しながら、はっと我に返り頭を下げた。


勢いあまってごちん、とぶつけたおでこを気にしている余裕はなかった。





「流です！えっと……これからお世話になります、よろしくお願いしますっ」