花笑ふ、消え惑ふ
「だめ、だよ……」
じゃれつかれそうになって、手をさっと宙にあげる。
子猫はもっとやわらかな鳴き声をあげて、ころりとお腹をみせて転がった。
「ふふ、遊びたい、の……?ごめんね、いまは────、っ!」
もう耐えられない、と流の身体が訴えていた。
その証拠に、いままででいちばん大きく、そして大量の花を口から吐き出してしまう。
かすんでいく視界。うすれていく意識。
震える手はすこしずつ……すこしずつ、重力に逆らえなくなっていく。
────にゃあ、と猫がひときわ嬉しそうに鳴いた。