*again
そして今日がその月1で会うその日で。
「あと今日ね…」
「うん。」
「……この間言ってた先輩覚えてる?
既婚者の男の人、なんだけど」
「……視線を感じるって人?」
「うん……その人と今日2人で作業することがあって、部屋で2人っきりだったの。距離が近くて、手を触ってきたりとか嫌な感じで……」
思い出しただけでもゾワリと鳥肌が立つ。
「既婚者だし、心配する必要ないと思ってたから……ちょっと油断した」
ヘラりと笑って見せるけど
「……笑い事じゃないでしょ」
優の顔は至って真剣で
「どう触られた?」
「え、っと…………手を重ねられて、」
途端。テーブルの上に置いていた私の手に、優の大きくて綺麗な手が触れる。
……ドキッと心臓が跳ね上がった気がした。