お兄ちゃんが好き
 クリスマスが近くなり、亮から誘われた。
「クリスマス一緒に過ごそう。」
「うん。もちろん。」
私は、どんどん、兄への思いを募らせているのに気づかない振りして、亮と付き合い続けた。

クリスマスイブになった。
亮とデートをした。
「今日、俺の家で夕食食べない?
『母さんが、咲良ちゃん連れてきてって。ごはん用意するから。』って。張り切っちゃって。
嫌なら断るよ。」
「全然いいよ。むしろ嬉しい。」

「お邪魔します。」
「咲良ちゃん、いらっしゃい。」

夕食が、食卓に並べられていた。
「おいしそう。」
「食べよう。」
「いただきます。」
「おいしい」
ケーキも食べた。楽しかった。

「片付け手伝いますよ。」
「いいよ。2人でゆっくりしてて。」
「ありがとうございます。」

亮の部屋に行った。
「あ、プレゼントどうぞ。」
私は、マフラーを渡した。
「俺からも。」
ネックレスをくれた。
「つけてあげる。」
亮がつけてくれた。
「可愛いありがとう。大事にするね。」
亮に伝えた。

亮とキスをした。
「亮、今日なら大丈夫だよ。」
「無理しなくていいよ。」
「大丈夫だから。」
亮の唇が首筋に当たった。

頭の中は複雑だった。
『亮と一緒にいるのに、お兄ちゃんが出てくる。消さなきゃ。』

服を脱がしてもらった。
「ホントに大丈夫?」
「大丈夫。」
吹っ切るしかないと思っていた。
「じゃあ、入れるよ。」

「痛い。」
「やめる?」
「やめない。大丈夫。」
私と、亮の身体は一緒になった。

『これでいい。これで。私は亮の物になった。』

「初詣も一緒に行こう?」
「うん。」
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