お兄ちゃんが好き
 お兄ちゃんはソファーに座ってる。
 今、告白しよう。頑張ろう。
「お兄ちゃん。これ、バレンタインのチョコ。」
「あっ、今日か。わざわざ渡しに来てくれたの?」
「そう。食べてみて。」
兄の隣に座った。
「ガトーショコラか。おいしいよ。ありがとう。」
食べたところで切り出した。

「お兄ちゃん。話があるの。」
「え?何?」
「私、お兄さんが好き。」
「知ってるよ。昔からよく言ってくれてたじゃん。」
「そうじゃなくて、お兄ちゃんとしてじゃなくて、男として好きなの。
 恋愛感情で好きなの。」
「何言ってんの?勘違いじゃないの?」
「違う。ホントに好きなの。お兄ちゃんと一緒にいたい。
 ずっと気づいていなかった。でも、亮と付き合って、恋愛感情の好きじゃないってわかった。
 私が恋愛感情として好きなのは、お兄ちゃんだって。」

「・・・」
兄は沈黙だった。

「気持ち悪いよね。ごめん。家族に戻るから。」
涙をこらえ、帰ろうとし立って玄関の方に向かった。

手を引っ張られた。
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