溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜



着いた先は銀座にある高級鮨店だった。


優吾さんが帰国した時は必ず来ているらしいことお店で、市場から毎朝仕入れているというこだわりのネタを使ったお寿司をいただく。


白身魚から始まり、次第に脂の乗ったお寿司が出てきてその美味しさに頬が落ちてしまいそうだ。



「すごい美味しい。すぐ溶けちゃう」


「うん。美味い」



朝採れたばかりのウニを贅沢に使ったお寿司を頬張りながら、優吾さんと顔を見合わせる。


明日も仕事のため今日はお酒を控えようと、食べ終わった後は外に出て少し散歩する。


歩きながら、この一ヶ月のことをお互いに話した。



「じゃあ、次は日本に?」


「あぁ。業績が悪化した企業を吸収合併したから、そこを建て直して新しくリゾートホテルをオープンさせる予定。その立ち上げから参加するから、しばらくは日本にいるよ」



数日間は仮住まいでEuphoria Resortsが手掛けるホテルで生活するらしく、今日もこの後ホテルに向かってまた明日からは忙しくなるらしい。


束の間の時間に私に会いに来てくれたと知り、さらに嬉しさが増す。


広い公園に差し掛かり、休憩がてら大きな時計の近くのベンチに腰掛ける。


似たようなカップルも何組かいるらしく、どことなく甘い空気が漂っていた。


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